カルシウムの吸収と相性のよい成分
骨を丈夫にするカルシウムですが、実は吸収率が低い栄養素の一つでもあるのです。つまり食材に含まれているカルシウム全てが吸収されて体で使われるのではありません。性別、年齢により個人差はありますが、一般的な成人の場合、食事からの吸収率は20~30%とされています。
カルシウムの多い食品の代表が牛乳ですが、牛乳のカルシウム吸収率は約40%と他の食材よりも優れています。牛乳のカルシウム吸収率が高いのには理由があります。それは牛乳に含まれている乳糖、たんぱく質が影響しているからです。小魚では約30%、野菜では約20%です。
野菜の中でカルシウムの吸収率が低いのは、ほうれん草などの青菜です。それは、カルシウムの吸収を阻害する成分である「シュウ酸」が含まれているためです。ただし、青汁に使用されているケールなら、シュウ酸をほとんど含んでおらず、牛乳と同程度の吸収率だとされています。
さて、前述の通り、丈夫な骨をつくるには、骨の成分を十分に補う必要があります。食事から摂る上で大切なのは、カルシウムに加えて、マグネシウム、コラーゲンです。
また、体というのは、必要な栄養素をより多く吸収しようとするので、摂取量が少ない、もしくは必要量が多くなる時期 (妊娠中など)は吸収率が高まるようになっています。
妊娠中だと、エストロゲンの分泌が高まるので、カルシウム吸収率が上がります。逆に授乳中だと、エストロゲンの分泌が減少し、骨量も減少する場合があるそうです。
カルシウムの吸収を促進する成分は、カゼインホスホペプチド、乳糖、ビタミンD、たんぱく質(適量の場合)、難消化性オリゴ糖などです。